
知っておきたい高血圧のこと – あなたの疑問に答えます
知っておきたい高血圧のこと – あなたの疑問に答えます
「血圧が高いと言われたけど、どうすればいいの?」 「高血圧って、放っておくとどうなるの?」 「食事や運動で血圧は下がるの?」
健康診断などで高血圧を指摘されたけれど、どうすれば良いか分からず不安に感じている方もいらっしゃるかもしれません。 高血圧は、自覚症状がないまま進行し、様々な合併症を引き起こす可能性があるため、正しい知識を持ち、適切な対策を講じることが大切です。
ここでは、高血圧に関するよくある疑問点や、最新の情報を取り入れながら、分かりやすく解説していきます。
血圧とは、血管の中を流れる血液が血管の壁を押す力のことです。 高血圧とは、この血圧が慢性的に高い状態を指します。
高血圧の診断基準(日本高血圧学会 高血圧治療ガイドライン2019より一部改変)
高血圧の種類
高血圧が続くと、血管に負担がかかり、動脈硬化を引き起こします。 動脈硬化は、血管が硬くもろくなり、詰まりやすくなる状態です。 これにより、以下のような様々な合併症のリスクが高まります。
これらの合併症は、日常生活の質を大きく低下させるだけでなく、命に関わることもあります。
高血圧の治療は、生活習慣の改善と薬物療法が中心となります。 近年、高血圧に関する研究も進んでおり、新たな知見も得られています。
1. 生活習慣の改善 – 基本であり、最も重要
食事療法:
運動療法:
禁煙: 喫煙は血管を収縮させ、血圧を上昇させるだけでなく、動脈硬化を促進します。禁煙は高血圧治療において最も重要なことの一つです。
節酒: 過度の飲酒は血圧を上昇させます。男性は1日あたり純アルコール量20g以下、女性は10g以下を目安にしましょう。
ストレス管理: ストレスは血圧を上昇させる要因となります。リラックスできる時間を持つ、趣味を楽しむ、十分な睡眠をとるなど、自分に合ったストレス解消法を見つけましょう。
適切な体重維持: 肥満は高血圧のリスクを高めます。適正体重を維持することが大切です。
十分な睡眠: 睡眠不足は血圧を上昇させる可能性があります。質の高い睡眠を確保しましょう。
2. 薬物療法 – 医師の指示に従って
生活習慣の改善だけでは血圧が十分に下がらない場合や、重症の高血圧の場合は、医師の判断により薬物療法が行われます。 現在、様々な種類の降圧薬があり、患者さんの状態に合わせて適切な薬が選択されます。
重要なのは、自己判断で薬の服用を中止したり、量を変更したりしないことです。必ず医師の指示に従いましょう。 また、薬物療法と並行して、生活習慣の改善を続けることが非常に重要です。
診察室での血圧だけでなく、自宅で 安静時に血圧を測定する「家庭血圧」は、高血圧の管理において非常に重要です。 家庭血圧を記録することで、日々の血圧の変化や、薬の効果などを把握することができます。
高血圧に関する研究は日々進んでおり、新たな治療法や予防法が開発されています。
これらの最新情報は、今後の高血圧治療を大きく変える可能性があります。
高血圧は、自覚症状がないまま進行することが多いため、「サイレントキラー」とも呼ばれます。 しかし、早期に発見し、適切な治療と生活習慣の改善を行うことで、合併症のリスクを減らし、健康的な生活を送ることができます。
定期的な健康診断を受け、自分の血圧を把握することから始めましょう。 もし高血圧と診断された場合は、医師の指示に従い、根気強く治療を継続していくことが大切です。
ご自身の健康のために、今日からできることを始めてみませんか?
参考文献:日本高血圧学会 ガイドライン