そのお腹のハリ、もしかして「腹部膨満感」?内科医が教える原因と対策
じめじめとした梅雨の季節、気分がどんよりするだけでなく、体調にも影響が出やすい時期ですね。川崎・武蔵小杉にお住まいの皆さんも、この時期に「なんだかお腹が張る」「お腹が苦しい」と感じることはありませんか?それはもしかしたら「腹部膨満感(ふくぶぼうまんかん)」かもしれません。今回は、この不快な症状について、内科医の視点から詳しく解説します。
腹部膨満感とは?
腹部膨満感とは、お腹にガスが溜まったり、内容物が詰まったりして、お腹が張って苦しく感じる状態を指します。見た目でお腹が膨れていることもありますが、本人が自覚する違和感が中心となることもあります。一時的なものから、日常的に続くものまで様々で、ひどくなると吐き気や痛み、食欲不振につながることもあります。
なぜ起こるの?主な原因をチェック!
腹部膨満感の原因は多岐にわたりますが、この時期に特に注意したい点を含め、主なものをいくつかご紹介します。
1. 食事や生活習慣によるもの
- 早食いや過食: 食事中に空気を多く飲み込んだり、一度にたくさん食べたりすると、胃や腸にガスが溜まりやすくなります。
- ガスが発生しやすい食品: 豆類、イモ類、乳製品、炭酸飲料などは、腸内でガスを発生させやすいことで知られています。
- 食物繊維の摂りすぎ: 不溶性食物繊維を過剰に摂取すると、便秘が悪化し、ガスが溜まりやすくなることがあります。
- 不規則な食事時間: 食事のリズムが乱れると、腸の動きも不規則になりがちです。
- ストレス: ストレスは自律神経の乱れを引き起こし、腸の動きに悪影響を与え、ガスの停滞や便秘を引き起こすことがあります。
2. 便秘
便秘によって腸内に便が滞留すると、そこでガスが発生しやすくなり、腹部膨満感の原因となります。特に女性に多く見られる症状です。
3. 消化器系の病気
- 過敏性腸症候群(IBS): ストレスなどが原因で、お腹の痛みや下痢、便秘を繰り返す病気で、腹部膨満感も代表的な症状の一つです。
- 機能性ディスペプシア: 胃の機能に問題があるにもかかわらず、検査では異常が見つからない場合に診断されることがあります。胃もたれや早期満腹感とともに、腹部膨満感を伴うことがあります。
- 胃炎・胃潰瘍: 炎症や潰瘍により、胃の動きが悪くなることで膨満感を感じることがあります。
- 腸閉塞: 腸の一部が詰まってしまい、食べたものやガスが先に進まなくなる重篤な状態です。強い腹痛や吐き気を伴います。
- その他の病気: 稀に、大腸がんや卵巣腫瘍など、より重篤な病気が原因となっていることもあります。
その不快感、どうすればいい?対処法と予防策
日常生活でできる対処法と予防策をご紹介します。
1. 食事の工夫
- ゆっくりよく噛んで食べる: 食事中に飲み込む空気を減らし、消化を助けます。
- ガスを発生させやすい食品を控える: 一時的に量を減らしたり、避けてみたりするのも良いでしょう。ご自身に合う食品を見つけることが大切です。
- バランスの取れた食事: 特定の食品に偏らず、様々な栄養素を摂るように心がけましょう。
2. 生活習慣の見直し
- 適度な運動: ウォーキングなど軽い運動は、腸の動きを活発にし、ガスの排出を促します。
- ストレスを溜めない: リラックスする時間を作り、ストレスを上手に発散しましょう。
- 十分な睡眠: 睡眠不足は自律神経の乱れにつながります。
- お腹を温める: 湯たんぽや温かいお風呂で、お腹を温めるのも効果的です。
3. 市販薬や漢方薬の活用
一時的な不快感であれば、ガスを抑える市販薬や、腸の調子を整える乳酸菌製剤、漢方薬なども有効です。ただし、自己判断せずに薬剤師に相談しましょう。
こんな症状があったら要注意!内科受診の目安
ほとんどの腹部膨満感は一過性で心配ないことが多いですが、以下のような症状を伴う場合は、早めに内科を受診しましょう。
- 激しい腹痛や吐き気、嘔吐を伴う
- 発熱がある
- 便秘や下痢が何日も続く
- 体重が急激に減った
- 血便がある
- 症状が長く続き、日常生活に支障をきたしている
当院からのメッセージ
川崎・武蔵小杉の皆さんが、梅雨の時期も健やかに過ごせるよう、当院は地域のかかりつけ医として皆様の健康をサポートいたします。腹部膨満感は日常的によくある症状ですが、背景に病気が隠れている可能性もあります。もし、ご自身の症状にご不安な点があれば、我慢せずにぜひ一度ご相談ください。丁寧な問診と必要な検査を通じて、原因を特定し、適切なアドバイスや治療を提供いたします。